藤田昭子氏《原・集落》制作協力

国営越後丘陵公園は、新潟県長岡市に位置する北陸地方唯一の国営公園です。豊かな自然に囲まれた広大な敷地には、四季折々の草花が咲き誇り、訪れる人々に癒しと憩いの空間を提供しています。公園は「越後長岡百景」の一つにも選定されており、地域の自然と文化が融合する象徴的な場所となっています。
■ 作家紹介:藤田昭子(FUJITA AKIKO)https://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/common/000054386.pdf
藤田昭子氏(1929–2009)は、「人間が取り戻すべき原風景」をテーマに創作を続けた日本の造形作家です。神奈川県平塚市を拠点に活動し、戦後彫刻界で頭角を現しました。1970年代には、自然の中で粘土を焼成する「野焼き」という原始的な技法を用い、**世界最大級のやきもの《出縄》(1976–77)**を湘南の地に出現させました。
藤田の制作は、都市生活のなかで失われていく「人間らしい空間」の再生を志向し、共同体的な創作行為を通じて原初的な建築や造形を提示するものでした。





■ 納品・協力実績
作品名:原・集落
サイズ:4m × 1.5m × 5.5m
設置場所:国営越後丘陵公園(新潟県長岡市)
本プロジェクトでは、藤田昭子氏による野外彫刻《原・集落》の制作・施工活動に携わりました。
作品は粘土を現地で成形・乾燥・「野焼き」によって焼成するという極めて稀有な技法により生み出され、その場の自然環境・土壌・気候と一体となった造形が実現されました。人の手で時間をかけてつくり上げ、炎で焼き上げるその工程には、人間と自然の対話、時間と記憶の蓄積が息づいています。
現地で目の当たりにした焼成工程は、現代の工業的な施工現場とは全く異なるスケールと感覚を持ち、我々にとっても生涯忘れ得ぬ体験となりました。炎と土、作家の手と大地との対話に立ち会うことができたことを、私たちは大きな誇りと感じています。
所在地 | 新潟県 長岡市 |
工法 | モニュメント |
発注者 | 国営越後丘陵公園事務所 |
竣工 | 1997年 |